いろんな会社で仕事をしたり、協力したり、話を聞いたりしていると「作業マニュアル」のことが話題になることがあります。
「作業マニュアルを作らなければいけない」という話だったり現在使われている作業マニュアルの話だったり。
特に現在使用しれているマニュアルを拝見すると、なかなか「熱のこもった文章」から始まるものが多い印象を受けます。
使われている作業マニュアルは社内メンバーが集まって作成したものが多いのですが、言葉の冷静さを書いているものが多い印象です。
例えば
・「理解」「意識」「認識」という言葉が出てきますが、その違いがわからない。
・道具や材料の名前が出てくるが、それが専門的で何なのかわからない
・「確認する」「見直す」という言葉が出てくるが、どのような動作なのか、わからない。
・「きれいにする」「仕上げる」は、どういった結果の形ならOKなのかわからない。
マニュアルを拝見して「きっと現場では活用されていないだろうな」と思える表現で、もったいないコストの使われ方だな、と思うことがあります。
マニュアルを作るポイントを勉強した方を社内にひとり育てれば、解決できる問題です。
実際に作業マニュアルを作成しよう、とすると相当に大きな負担がかかります。
作成は実際に現場で一番作業に優れた人たちの協力も必要ですし、作業を「言葉に置き換える」能力を持つ人も必要になります。
そういう人たちを一定時間、現場から引き離して作成するのは相当困難です。
マニュアルそのものを会社としてどう位置づけるか、を見直して取り組むことをおすすめしたいです。
特に作業マニュアルは「できれば作成してください」という指示だけでは、どんな老舗企業であっても絶対にできないものです。
まずはトップ自らが「なぜ現場にマニュアルが必要なのか」ということを十分に腹に落として、説明・説得できるくらいの熱意を持たないと「現場で生かされるマニュアル」はできないものだ、と現場を見ながらしみじみと思うものです。