新しくスタッフなどを採用するとよくあるのが
「すみません、給与明細のこの項目って、なんですか?」
という質問。
たった一言の質問ですが、そのときの上司の態度や言葉ひとつで、相手の信頼感が大きく変わることもあります。

今回は、そんな場面で上司として気をつけたいポイントを3つにまとめました。

① 「ネットで調べれば?」と突き放さない

給与明細のしくみは、社会人でもちゃんと理解していない人が多い分野です。
新人は聞くこと自体に勇気を出しています。
そこで「ネットで調べれば?」のひと言で済ませてしまうと、「ここでは教えてもらえない」という不安につながります。
 正確に答えられなくても、「いい質問だね。一緒に確認しようか」と応じる姿勢が大切です。

② 「給与の話=タブー」な雰囲気を出さない

お金に関する話題は「遠慮すべきもの」と思いがち。
でも相手にとっては、自分の生活に直結する大切なことです。
給与は“働きの成果”に対する対価。
堂々と、オープンで誠実な雰囲気を大事にしましょう。

③ 「自分もよくわからない」ことを正直に伝えてOK

自分が給与制度に詳しくなくても、無理に答えようとしなくて大丈夫です。
例えばこう言いましょう。
「その部分は専門の人が詳しいと思うよ。一緒に確認しようか」
相手にとっては、“頼っても大丈夫な上司”と感じられることが何よりの安心です。

給与の話は、ただの制度説明ではなく、「この会社で安心して働けるかどうか」を確かめる場でもあります。
その瞬間に交わされる言葉や態度には、新人の不安を受け止める大きな力があるということを、ぜひ心にとめておきましょう。

 

給与明細の話しの次に出てくる可能性が高いのは「どうしたら給料が上がるのか」という質問です。
先回りしてお答えする必要はありません。
話題が出されたら質問を受け止めて、質問に応じましょう。
そして、答える言葉やパターンも知っておけば戸惑うことはありません。

給与を決める要因は3つです。

①会社の力量

 これは会社でどのくらいの利益が確保できるか、ということです。
 「会社の利益が今よりも増えて、働く我々にもっと多く分配しよう、と会社が判断すれば上がります。」
 ということです。

②世間相場

 これは今となっては「最低賃金法」で決まってしまう会社も多くなってしまいました。
 同業他社さんの求人条件を比較しながら決めていることも多いです。

③本人への決定評価

 働きはじめの頃は評価対象になっていないかもしれませんが、半年~1年後には人事考課などの対象になっていきます。
 そこでの評価が上がれば給与は上がります。
 ただ、その時も会社全体の利益などが上がっていることが前提になります。

このように答える内容は一般的に聞こえるものがほとんどで、聞く相手もそれで引き下がることが多いです。

もちろん「自分は、なぜ給与が上がらないのか?」という質問は、別のテーブルを設けたほうがいいでしょう。