2025年も半ばになり「リモートワークを見直そう」「やっぱり出社が必要だ」という動きが少しずつ広がっています。
2024年の調査によれば、全国のテレワーク実施率は22.6%。特に首都圏では44.1%と高い数字ですが、それでも週3日以上の出社を求める企業は全体の約74%にのぼるそうです。

背景には、マネジメント層の「やっぱり顔を合わせたい」という気持ちや、労働集約型の仕事に多い「現場主義」があるのかもしれません。
たしかに、会社の方向性や価値観を共有するような深い話は、リモートでは伝わりにくい面もあります。
言葉のニュアンス、表情、間の取り方…。画面越しでは掴みきれない“空気”が、対面にはあります。

一方で、働く側にとってリモートワークには大きな魅力もあります。
通勤ストレスからの解放、家庭との両立、時間の自由…そうしたことが“安心感”につながり、働く意欲を高めているのも事実です。
とくに子育て中の方や、介護を担う方にとっては「働き方が選べる」ということ自体が、大きな支えになります。

では、どうするのが正解なのでしょうか?

おそらくこれからの働き方で鍵になるのは、「どちらか一方」ではなく「どちらも選べる」柔軟さです。
たとえば、深い議論や価値観の共有が必要な会議は対面で。
日々の進捗報告や業務の確認はオンラインで。
そんなふうに、業務内容や状況に応じて最適な方法を選ぶ“ケースバイケース”の発想が大切になります。

また、リモートワークを導入するうえで意識したいのが「情報の共有」と「心理的な安心感」。
必要なときに出社できる、情報がきちんと届く、誰かが見守ってくれている――。
そういった信頼のベースがあってこそ、リモートでも安心して働けるのです。
定例会議のやり方を見直したり、チャットや掲示板を活用したり。
小さな工夫の積み重ねが、大きな“安心”につながります。
リモートか出社か、という二項対立を越えて、信頼と対話を土台に「選べる働き方」を目指していく。

それこそが、これからの時代に求められる“柔らかくて強い”働き方なのではないでしょうか。