2024年10月、社会保険の適用対象が従業員数51人以上の企業に拡大されます。
これまで2022年10月からは101人以上の企業で対象となっていました。
この「106万円の壁」の対象者がさらに増えることになります。
これにより、中小企業で働く多くの方が、新たに社会保険に加入することになります。

まずは、お勤めの企業が対象となるかどうか、そして自分自身の働き方が対象になるかどうか確認しましょう。
自分自身の働き方が対象となるかどうかは、以下の条件を満たすかどうかで判断されます。

・週の所定労働時間が20時間以上
・所定内賃金が月額8.8万円以上
・学生ではない

対象となる場合の対応

対象となる可能性がある場合は、早めに会社に相談しましょう。
対象外となることを希望する場合は、2024年9月30日までに会社に相談し対応をしていただく必要があります。
相談しないと、自動的に社会保険の適用対象者に指定されます。

対象外となる方法
以下のいずれかに該当すれば、社会保険の加入対象外となります。

・年間を通して、週20時間未満働く
・1年間のうち、6ヶ月未満働く
・1日の労働時間が4時間未満または1ヶ月の労働時間が30時間未満になるように働く

毎年7月に社会保険の個別見直し(基礎算定)が行われます。
4月~6月の勤務時間により社会保険の扱いが見直されますので、この期間に勤務時間の調整を行うことで、対象外となる可能性があります。
詳しくは厚生労働省ホームページなどをご参照ください。

今回の改正で、新たに社会保険の加入対象となる方は約65万人と推定されています。

社会保険への加入は、老後の年金や病気やけがの際の医療費の負担軽減など、多くのメリットがあります。
一方、加入によって手取り額が減るなどのデメリットもあります。

また、企業に対しては対象者の状況に応じた助成金があります。
対象となる可能性がある方は、早めに準備をしておきましょう。